睡眠知識

睡眠で考える「消費カロリー」

日々の暮らしのなかで「しっかり眠ること」は、実は身体づくりや体重管理と深い関わりがあります。特に睡眠中に使われるエネルギーは、意外にも侮れないものです。何気なく過ぎてしまう夜の時間ですが、質の高い睡眠を目指すだけで日ごとのカロリー消費に差が出ることも。その小さな差が1カ月、2カ月と積み重なると、からだ全体のコンディションや体型に大きく影響するかもしれません。本記事では、睡眠と消費カロリーの基本的な考え方や、深い眠りを得るための具体策、そして年齢を問わず取り入れやすい方法を解説します。

睡眠と消費カロリーの基本

ここでは、睡眠がどのように身体のエネルギー消費へ関わっているのかを、基礎的な部分から見ていきましょう。夜にしっかり休むことが、意外にも大切なポイントであることをお伝えします。

代謝のイメージ

身体は眠っていてもコンディション維持でエネルギーを使う

人間の身体は睡眠に入っている最中でも基礎コンディション維持のためにエネルギーを消費しています。実際、一晩の睡眠でおよそ300kcal程度を使うといわれることもあり、これはウォーキングや軽めの体操で消費されるエネルギーに近い数値です。昼間、運動や家事などでエネルギーを使うイメージは強いかもしれませんが、夜の休息のあいだにも、体温維持や臓器の働き、そして日中の活動で生じたさまざまなダメージをケアするためにエネルギーは動員されているのです。

とはいえ、この夜間のエネルギー消費量は、睡眠の深さによって変動する可能性があります。寝付きが良く、しっかり休める状態であれば、夜間の身体はより効率的にコンディションを整えてくれるかもしれません。逆に、眠りが浅かったり途中で目が覚めやすかったりすると、その分だけエネルギー消費の面でも物足りなくなることも考えられます。こうした違いが、長期的な体重管理や身体づくりに影響を与えるかもしれないのが興味深いところです。

深い睡眠が生み出す消費カロリーの可能性

深い睡眠時には、筋肉や内臓のメンテナンスがより入念に行われるといわれています。このとき、当然エネルギーも必要になりますので、深い眠りを確保できる場合とできない場合ではカロリー消費に差が生まれるかもしれません。実際、短時間睡眠が続く人ほど体型の変化を感じやすいという報告があり、学術的にも「短い睡眠時間が体型リスクを上昇させる可能性」が示唆されています。

このように見ると、寝ている間の消費カロリーというのは、単に数字の上でのエネルギー計算にとどまらず、身体のコンディションをととのえるうえでも大切な位置づけといえるでしょう。夜間の質の高い休息を得ることで、日中の活力や体型管理にも良い影響が期待できるのは、決して特別な話ではありません。

夜間に作用する体調サポート物質とダイエットへのかかわり

質の良い眠りがもたらすエネルギー消費には、夜間に編成される身体のはたらきも深く関係しています。ここでは、その要といわれる物質の存在と、睡眠をととのえるメリットについてお伝えします。

睡眠中の女性

睡眠中に整えるからだのコンディション

夜のあいだ、私たちの身体は体調をサポートする仕組みをフル活用して、日中の疲れや筋肉のケアなどを行っています。特に深い眠りに入ったタイミングは、身体が自らのコンディションを整えるうえで重要といわれます。ここで活躍するのが、睡眠中に分泌される夜間の体調サポート物質です。これは成長にかかわる働きだけでなく、筋肉をいたわったりエネルギーの使い道を整えたりと、私たちのからだをさまざまな角度から支えてくれる存在として注目されています。

深い眠りが得られれば得られるほど、身体のコンディションを高めるこうしたサポートがスムーズに進行し、結果的に日中の活力やウェイトコントロールに関わる面で嬉しいメリットを得られる可能性があります。しっかり休むことは見た目の問題だけでなく、健康的な毎日を過ごすうえでも欠かせない要素です。

体調サポート物質が不足するとどうなる?

一方で、夜間のこの体調サポート物質が上手に働かない環境が長く続くと、寝ているあいだに使われるエネルギー量にも影響が出てくることが考えられます。たとえば、寝付きが悪かったり、就寝時刻が極端に遅くなったりといったリズムの乱れがあると、本来分泌されるはずの成分が十分に行き渡らなくなるかもしれません。それは翌日の活力低下にもつながりやすく、食欲の乱れや体重管理の難しさにつながる可能性もあるでしょう。

このように、夜のあいだに体調をサポートする成分が十分働いていないと、カロリー消費の面で損をしてしまったり、体型維持のモチベーションが続かなくなったりする恐れがあります。睡眠中の身体の活動は目に見えにくい分、その重要性を軽く考えがちですが、ダイエットや健康を考えるうえでは大きな要因になっているのです。

1カ月で大きな差に!?睡眠の質と消費カロリー

質の良い休息とそうでない休息、その違いが積み重なると想像以上のカロリー差を生むことがあります。ここでは、月単位のエネルギー差についてわかりやすく確認してみましょう。

睡眠が浅い女性

途中で目が覚めやすい人の悩み

睡眠が浅い、夜中に何度も目が覚めるといったお悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。こうした状態になると、深い眠りに入る時間が十分に確保されにくくなり、とくに身体のエネルギー消費においても明確な違いが出ることがあります。夜のあいだに深く休めている人と比べると、1日で数十kcalから100kcal以上の差が生まれるともいわれます。

一見すると、1日単位の数十kcalの違いは些細に感じられるかもしれません。しかし、それが1カ月のスパンになると合計で数千kcalに達することもあり、長期的な体型コントロールに大きな影響を及ぼす可能性があります。途中で目が覚める習慣がある場合、まずはその原因となっている生活リズムやストレスなどをやさしく見直し、少しでも深く休める環境づくりを意識してみるのがおすすめです。

深く眠れることで変わる数千kcal

もし、深い眠りを十分に取ることで1日あたりの消費カロリーがプラス数十kcal増えたらどうなるでしょうか。たとえば1日あたり50kcal増加したとしても、30日で1,500kcal、2カ月で3,000kcalという大きな差に。これは軽めのジョギングやウォーキングなどを毎日数十分追加で行うのに相当するエネルギー消費量になり得ます。

私たちは日中、「今日は少し歩いていないな」「つい食べすぎてしまったな」などと気にしがちですが、夜間の質の良い休息もまた見逃せないエネルギー消費であることがわかります。ちょっとした心がけで深く安らぐ睡眠を得られれば、それが1カ月、2カ月と続いていくなかで予想以上の違いを生むかもしれません。だからこそ「睡眠で考える『消費カロリー』」を意識する価値があるのです。

夜間の体調サポート物質を意識する「3・3・7」アプローチ

大切なのは、どのようにすれば夜間の体調サポート物質をしっかり活かし、深い眠りを得られるかという点です。ここでは、寝始めの3時間、深夜3時、そして7時間睡眠といったキーワードを軸にした方法をご紹介します。

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寝始め3時間をととのえる工夫

人間の眠りは、寝付き直後に深くなる傾向があります。この最初の3時間を妨げないようにすることが、体調サポート物質にとっても大切です。たとえば、就寝直前に重たい食事をしない、スマートフォンやパソコンの強い光をしばらく避けるなど、入眠をスムーズに導く工夫を心がけると、深い眠りを得やすくなります。

さらに、あまり神経質になりすぎず、からだを適度に癒すイメージを持つと良いでしょう。軽くストレッチをして血行を促したり、やさしい音楽を聴いたり、照明を落とすなど、小さなことでも睡眠の入り口を穏やかに整えるきっかけになります。最初の3時間を安らかに過ごすことこそが、夜の身体づくりにとって重要な要素となるのです。

深夜3時までに眠る意義

夜型の方もいるかもしれませんが、可能であれば深夜3時より前に眠りにつく習慣が望ましいとされています。これは、体内時計と呼ばれるリズムが深夜から明け方にかけて盛んになる体調サポートの働きと大きく関わっているためです。深夜0時から3時あたりは特に、このサポート作用が活性化しやすい時間帯という説もあります。もちろん個人差はありますが、大幅にこのリズムを外してしまうと、本来得られるはずのエネルギー消費やコンディション向上のチャンスを逃すことになりかねません。

もし生活リズムの都合で難しい場合でも、休日だけは少し早めにベッドに入るなど、少しずつ対策してみるのも一案です。身体の周期を大切にすることで、自然と安定した睡眠を得られ、質の良い休息が狙いやすくなるでしょう。

1日7時間前後の睡眠がもたらす安心感

個人差はありますが、多くの研究や経験則から、1日7時間程度の睡眠をとることが心身の元気さを保つうえでちょうどよいといわれることが多いです。短すぎる睡眠では体調サポート物質の働く時間が十分に確保できませんし、逆に長過ぎる睡眠は体がだるくなったり昼夜逆転の原因にもなる可能性があります。

7時間前後の睡眠を続けることで、寝ているあいだのコンディション維持に十分な時間を確保すると同時に、日中の活動も元気にこなしやすくなるでしょう。たとえ難しい場合でも、自分に合った無理のない睡眠時間帯を探り、できるだけリズムを安定させるのが大切です。

無理なく続けられるポイント:食事制限や運動が苦手な方にも

ここでは、睡眠を軸にした身体づくりのメリットを再確認し、年齢や体力を問わず続けやすい理由についてまとめます。食事や運動で息切れしてしまった方にも取り組みやすいアプローチです。

スリムな女性

睡眠ダイエットの魅力

食事制限や激しい運動は、体力や健康条件によっては長期的に続けにくいこともあります。その点、睡眠を見直す方法であれば、特別な器具を使う必要もなく、基本的にはどんな方でも始めやすいのが魅力です。寝る時間は既に日常に組み込まれていますので、「眠り方や就寝環境をちょっと変える」という発想でスタートできます。

また、シニア世代など運動量を大幅には増やしづらい方も、睡眠を上手に活かすだけで日中の活力をサポートできる可能性があります。無理なく行うからこそ、継続に対するハードルも下がり、ストレスを最小限に抑えられるのが嬉しいところです。

質のよい睡眠で活力やコンディションをサポート

睡眠をしっかり確保すると、朝の目覚めがすっきりしやすくなり、日中の活動への気力も高まりやすくなります。もちろん、睡眠だけで体重管理や体型の悩みをすべて解決できるわけではありません。しかし、体力が落ちてきたと感じる方にとっては、まず夜間の休息を丁寧にととのえることが身体づくりの第一歩になるでしょう。

さらに、しっかり休んでいれば、仕事や家事などを続けるうえでも余裕が生まれ、何ごとにも意欲的に取り組みやすくなります。その結果、日中に軽い散歩を追加してみようという前向きな気持ちがわくかもしれません。こうした好循環が、身体全体のコンディションをはぐくむ要となるわけです。

快眠をめざす具体策

ここからは、実践しやすい快眠のための具体策をご紹介します。寝具や寝間着、空気環境などを少し見直すだけでも、夜の休め方に変化が訪れるかもしれません。

寝間着

寝具と寝間着の素材を考える

人は寝ている間にも汗をかきます。その量は一晩でコップ1杯分ほどになるともいわれるため、素材選びはとても大切です。吸放湿性が高い綿や麻などの素材を採用すれば、汗をよく吸い取り、かつ放出しやすいために寝床が蒸れにくく、快い寝心地を得やすくなります。

寝間着についても同様で、締めつけの少ないもの、通気性の良いものを選ぶと、睡眠中の癒し感覚が高まると考えられます。特に夏場や湿度の高い時期は、寝苦しさによって目が覚めてしまう場合がありますので、こまめに寝具の調整をする習慣を持つのもおすすめです。

空気環境と寝床内気候

寝ている間の理想的な温度はおよそ32~35℃、湿度は40~60%ほどといわれます。この範囲から大きく外れる環境では、快適さが損なわれ、中途覚醒の原因にもなりやすいです。真夏の熱帯夜であれば上手に冷房を使い、冬場の乾燥する季節なら加湿器を活用して、寝床内の環境を無理なく整えましょう。

また、床との距離を30cm以上確保することも有効です。ホコリやダニなどのアレルギー物質は床近くにたまりやすい傾向があるため、寝る場所をベッドや高めのマットレスにすると、鼻づまりやくしゃみなどの悩みを軽減しやすくなります。寝室の空気を清潔に保つ配慮が、深い眠りにつながっていくのです。

枕やマットレスの選択ポイント

枕の高さが合っていないと、首や肩に負担がかかり、深い眠りを得にくくなります。また、マットレスの硬さが自分の身体と合わない場合は、腰や背中に違和感が生じることもしばしばです。できるだけ自分の体格に合ったものを選ぶのが理想で、最近ではオーダーメイドの枕や、自分の寝姿にフィットする高機能マットレスなどが選択肢として充実しています。

実際に試し寝をしてみないとわからない感覚もありますので、寝具の購入を検討しているときには、時間をかけて店舗を訪れ、自分が寝返りするときの身体の沈み方や安定感を確認するようにしましょう。寝付きの良さだけでなく、寝起きの気分までも変わりやすいポイントですから、納得いくまで選ぶことが大切です。

日中の暮らしと睡眠の関係

夜にぐっすり休むためには、昼間の過ごし方やストレスマネジメントも見逃せません。ここでは、生活リズムを整えるうえで役立つ考え方をご紹介します。

ストレッチをする女性

ストレスケアや生活リズムを安定させる

ストレスが多いとどうしても入眠が妨げられやすくなり、寝付き直後の深い休息までなかなかたどり着きにくくなります。できる範囲で夕方以降はやさしいストレッチを取り入れる、暖かい飲み物を味わうなど、自分を癒す時間を確保してみるのはいかがでしょうか。

また、起床や食事の時間がバラバラだと、体内時計が乱れやすくなります。できるだけ一定の時間に起きて、朝日を浴びるようにすると脳のリズムが整いやすく、夜には自然に眠りたくなるサイクルが育まれやすいです。生活リズムの安定は睡眠の質とも直結する点を意識しておきましょう。

小さな習慣の積み重ねが大きな変化に

睡眠の質を急に完璧に整えようとすると、かえって疲れてしまうこともあります。まずは「寝始め3時間を邪魔しない」という小さな目標を立ててみるのもよい方法です。夜更かしを控えて、その時間帯はスマホを触らない、テレビをオフにするなど、自分でコントロールしやすいところから始めてみましょう。

さらに、寝具や部屋の温度設定などの物理的な部分だけでなく、心身を癒す軽い運動や趣味の時間を作るなど、夜に備える準備も大切です。こうした小さな習慣が積み重なるうちに、眠りを妨げる要因が少しずつ減少し、いつのまにか夜の休息がより充実してきたと感じるケースも多いです。

気をつけたいポイント

睡眠はからだづくりに役立つ一方で、それだけですべての課題を解決できるわけではありません。ここでは、よりバランスよく取り組むための注意点について整理します。

ウォーキングをする女性

睡眠だけではなく食事や運動とのバランス

睡眠を整えることは多くの方にとって続けやすい方法ではありますが、やはり食生活や適度な運動も大切な要素です。夜にきちんと休むためには、日中に体を活動させてメリハリをつけることも一理ありますし、栄養バランスの良い食事をとることで身体のコンディションがととのいやすくなります。

そのため、睡眠を中心に考えながらも、日頃の食事の内容を見直してみる、軽いウォーキングを追加してみるなど、トータルでのライフスタイルを考えてみましょう。無理なく、少しずつ継続できる方法を組み合わせることで、より充実した日常が期待できるはずです。

専門家との連携も視野に

肥満や体重管理について深刻な悩みを抱えている場合や、健康面で不安があるときには、医師や管理栄養士など専門家に相談することをおすすめします。睡眠だけのアプローチでは対処しきれない症状や、個々人の身体特性が存在するためです。専門家の視点から、一人ひとりに合った方法やアドバイスを提供してもらうことで、遠回りせず前向きに取り組みやすくなるでしょう。

ネムリーのサポート

ネムリーの店内

ネムリーでは、からだをトータルで考えた栄養指導や、睡眠や食事の両面からサポートを行っています。睡眠を抜きにして、食事だけ・運動だけでカロリー調整を考えると、どうしても無理がかかりがちです。そこでまずは「夜の休息をじゅうぶん意識しつつ、日中の行動も整えていく」という発想を大切にしています。

たとえば、個々のライフスタイルや体質に合わせて、夕食のタイミングや栄養バランスを一緒に見直すことで、夜に入りやすい眠りのリズムを後押しすることができます。さらに、生活のペースに合ったコンディションサポート製品や、腸内環境を気遣うエステプロ・ラボならではの製品ラインナップのご提案も可能です。上質な睡眠は一朝一夕には手に入らないかもしれませんが、専門的なアドバイスを受けながら小さなステップを積み重ねることで、夜の消費カロリーを無理なく味方につけていく道が開けていきます。

プロラボグループの管理栄養士や各分野の有資格者たちが、快適な睡眠環境の整え方や食事計画のアドバイスなどをご提供いたしますので、より自分らしいスタイルで夜の休息を有意義に使ってみたいと感じたら、ぜひネムリーのサービスをご活用ください。

まとめ

眠る女性

以上、睡眠と消費カロリーの関係を中心に、夜間の休息がもつさまざまな魅力をお伝えしました。深い眠りを得ることで1日あたりのエネルギー消費に小さな差が生まれ、それが月単位で見ると意外に大きな数字になることもあります。

  • 睡眠にもエネルギー消費があり、質の良い休息で追加のカロリー消費が期待しやすい
  • 夜間に作用する体調サポート物質を意識し、寝始め3時間や深夜3時までの睡眠が重要
  • 月単位の差を考えると、途中で目が覚めやすい人と深く眠れる人では大きな違いが生まれる可能性
  • 食事制限や運動が難しい方でも、睡眠をととのえる方法は年齢を問わず取り組みやすい
  • 寝具や寝間着、空気環境の見直しと日中のリズム管理が快適な夜をサポートする

睡眠の質を見直し、夜のカロリー消費をうまく活かしたいと感じたら、ぜひネムリーのアドバイザーや商品をチェックしてみてください。あなたの暮らしに合った接点がきっと見つかるはずです。ぜひ一緒に、夜の休息を新たな味方として取り入れてみましょう。

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